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ながさわさんのアレグロモデラート

アレグロモデラート(Allegro moderato)は、速さを示す演奏記号で「穏やかに速く」

shin'さんのメールの先頭が、必ず3行空いているのはなぜなのか


shin'さんがPCでメールを打つとき、ほとんどの場合、先頭を3行空けるのだが、ちなみにケータイのときは1行空く。

今行ってる現場で、つい最近、メーリングリストの運用が始まった。あらゆる困難な要素があるのだが、そのうちのひとつを、改善しようという試みだった。また、あらゆる困難な要素のひとつの、その原因のひとつには、末端からの報告がきちんと挙がっていないということを感じていたから、僕は、できるだけ繰り返しにならぬよう、さらに、できるだけ全体に関わるように、メーリングリストへの投稿を積極的に行っていた。

正直なところ、プロフェッショナルの世界においては、メーリングリストはあまり好かれない。人の好みや、マネージメント手法によるところは大きいが、比較的、大局をみて動く人は、メールがたくさんくることをあまり好まない。つまり、体制とそれに基づいた指示命令系統に加えて、個々の裁量が明確になっているならば、コミュニケーションは最低限でよいはずであり、一斉送信という(受け取り方によっては迷惑な)方法でメールが来ても読まない。というのは、非常に合理的かつ、高尚な組織論に基づいた理由であるが、ほかには、斜め読みができない、書いてあることがむつかしくてわからん、判断はできるだけ多くの情報があるほうがよいということがわからない、などあろうが、たいてい多くの理由は「めんどうくさい」に集約されるだろう。自分の仕事を積極的に増やそうという人はきわめて少ない。

shin'さんのメーリングリストへの積極的な投稿は、前述した組織的な議論がない状態で、すべての困難をwikipedia的合意形成で進むのであれば、めんどうくさいという後ろ向きな理由は理由にならないから、できるだけたくさんの情報をみなで共有し、一丸となって困難に取り組もう、という表明である。実際のところ、いまのメーリングリストは、半分は言い過ぎにしても、1/3は、shin'さんの、長いうえにくどいメールで占められてる。いまのところ、苦情はないが、いつかくるのかな。(笑)

そんな僕のメールを数多く読まざるを得ない状況で、近くに座る、少しと年下の同僚が、きのうの晩に発した「shin'さんのメールには、どうして、必ず最初に空行が3行あるんですか?」という発言には、単なるマイルールであるといえばそれまでだが、本当の回答は「それは、shin'さんがノーツのエンジニアだからだよ。」である。ノーツクライアントから、ドミノサーバーを介して、インターネットメールを送ると、必ず、先頭に空行が3行が入る。ノーツを電子メールクライアントにしている企業の多くはメールでの議論のやり方を比較的よく知っており、少なくとも、業務連絡や定型的な報告やFAXの代わりとしてだけに使ったりはしない。メールでお互いの発言を引用しあい、文章での議論をよくやっている。また、Outlook や、他のメイラーと違い、デフォルトフォントが大きくないから(MSゴシック10pt)、いっぱい書いても違和感はない。僕の感覚だけかもしれないが、ノーツメールと、インターネットシンプルメールには、このような考え方や文化の違いがある。3つの空行には、「僕はノーツのエンジニアですよ。」ということと、ゆえに、「私はたとえ長文であってもメールであなたと会話する余地がありますよ。」ということとという表明がこめられている。

話はメーリングリストの導入の話に戻るが、このときに、グローバルアドレスに、掲示板やバグ管理や課題管理のアプリケーションを設置したいということになりかけた。コンプライアンスやセキュリティの議論が定着した昨今で、それは、非現実で、僕は、ISO27001(ISMS)より前の、ISO9001のころ(前回のエコブームのころ。2000年くらい。)から、適切なルールを設定したうえで、Excelのブックを回せばその代替には十分になりうるということを長い間shin'さんはやってきた。
もし、このようなアプリケーションが導入できたとしても、掲示板に20も30もエントリーがあったら、読むか?しかもユーザーインターフェースがつたないWebアプリケーションで。前述の議論が「めんどうくさい」に帰着するなら、答えはルックアットファイヤーモアザンクリアーである。そういったアプリケーションは、確かに、画期的かもしれないが、「道具」止まりである。それがきっかけになるかもしれないが、一番重要なのは、その道具を生かす運用ルールないしはフローであって、それがあるならば、道具がグローバルネットにある必要はあまりなくなる。

ということをノーツのエンジニアならば経験的に知っている。ノーツはグループウェアであり、コラボレーションツールであるが「めんどうくさ」くなくなるツールじゃないからだ。どちらかというと面倒くさくなる。なにを導入してもそうだろう。大事なのはルールであって、リテラシーであって、マナーであって、ソフトウェアでなくてもよい。もし、仕事にITが投入できないのであれば、情報リテラシーに基づいて、クールなステーショナリーや、アナログ電話を適切に使えばいいだけだ。

3行の空行の意味をざっと申し上げるとこういうことだが、まず、空行があると気づいてもらえたことだけでも、僕はうれしい。直近で、shin'さんがリーダー参加じゃなかったプロジェクトが、おおむね芳しい結果でないのは、もうそろそろ終わりにしたいからね。