読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ながさわさんのアレグロモデラート

アレグロモデラート(Allegro moderato)は、速さを示す演奏記号で「穏やかに速く」

「うけながし」という高等テクニック

インフォメーションテクノロジー ITにまつわる政治(国政)

現職の首相の著書を、しばらく前に読んだのだけど、「至極まっとうなことを言っているなあ」というのが正直な感想だった。官僚主導については、日本改造計画に書いてあることと同じだったんだけど、現行の法律に基づいて、しかるべき手順を追って、物事を決めていくという理系の彼らしい合理的な理論が、なんじゃら会議を増設することのよりどころであるのではないかなあと思っている。

自民党の総裁が「限界にきている」といった理由に直接通じるかどうかわからないのだが、福島第一原発の危機管理を迫られていたときに、件の彼は、怒号を発し続けたという報道記事を読んだ。根拠のない、いろいろな妄想をしてみると、東電が首相に対して不信感を抱いていたのだろうということであって、ほんとうに現場にいる人間からしてみれば、裏づけのないトップダウンには従えなかったのか、単に、指示命令系統が乱れていた、あるいは、適切な情報連携が図れていなかったんだろうということがうかがえる。

僕は未読であるのだが、首相のカミさんは著書で「あなたが総理になって何が変わるの」と言っているそうである。さらに「あなたは総理に向いていない、まあ、自民党の総裁のひとよりは向いていると思うけど」とも言っているそうで、非常に興味深い。女性の危機察知能力は、男性よりも格段に優れていると、僕は思うし、女性の直感というのは、施策の方法に問題がある場合が多いものの、尊重されるべきものであると、僕は思うのだが、さて、その理由はどこらへんにあるのだろうかは、彼が総理大臣になってみなければわからんことなのだろう。


僕の知る「仕事のできる人」に共通することがひとつある。それは、自分が正しいと思うことを貫くことである。ただ、悲しいかな、中堅ベンダしか知らない僕の知る「仕事のできる人」は、自分が正しいことを貫くが、その過程で、人の話を全く聞かない人が多い。どういうことを考えているのかはわからないが、じゅうぶんな情報を仕入れないまま、自分の思いを貫く場合があることがあり、結果的に失敗したり、誰かが傷ついたりしている。30歳までに学ぶべき仕事のコツのひとつである「うけながし」の具体策ではあるのだが、周りが見えていない、適切な業務知識、適切なテクノロジに対する知識、そして適切なコンピュータリテラシーに基づいた、正確な情報収集をしないままに貫く「自分が正しいと思うこと」はどちらかといえば意地である。現職の首相が、かいわれ大根を食べて見せたとき、周囲の俗称は「イラ菅」と言われていたが、裏づけのない、単なる感情的な発言であったなら、つきあわされるほうは見ていられない。裁量のある人には、常に先を見て、常に情熱あふれ、常に冷静であってほしい。

Windowsは、確かに簡単ではあるんだが、
Windowsは、ダイアログの指示にさえ従えば、
どんなことでもできる、
わけではない、ということを、
正しく理解している人は、
とても、すくない。