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ながさわさんのアレグロモデラート

アレグロモデラート(Allegro moderato)は、速さを示す演奏記号で「穏やかに速く」

若干時期を逸している観はありますがね


「ドラゴンクエストX」βテスター募集がスタート - ITmedia ニュース

ドラクエXのβテスター募集がはじまったそうで、そのニュースに、以下のようなリンクがついていた。

ゲームコラム】残念ながら『ドラゴンクエスト』シリーズ終了のお知らせ – ロケットニュース24(β)

この記事は、オンラインゲーマーとそうでないゲーマーは明確に分かれていて、小説を読むようにじっくりと物語に浸りたいユーザーは、ネットになんてつながないから、おいてけぼりになることがたいへん危険だ、という論調である。
そういや、この発表を期に、スクウェアエニックスの株価も下がったというのが、9月の初旬。なるほど。


長らくドラクエで一番好きなのは、IIIであると言っていたが、最近になって、ドラクエIIが一番好きだと思うようになった。理由は、ドラクエIIが、いちばん、冒険に必然性があるからだ。

ドラクエIは、とっつきやすいウルティマを志向したものだったから、りゅうおうを倒せと王様に言われ、100ゴールドもらって、こんぼうを買って、城の外に出て、かわいいスライムを3匹倒したところで、レベルアップ、すごいじゃんオレ、といった具合で進んだ。また、IIIは、ヒット作であるということと事前情報が理由になっていたけれど、いまになって、よく考えると、なんで仲間を雇ったのかがよくわからない…。

しかしながら、IIは、紋章を探すところ以外で、迷うところがどこにもない。サマルトリアの王子を探せ、探しまくったのに、とあるまちで「いやー、さがしましたよ。」とか言われる。旅に女の子がいないのはいやだから、ムーンブルクに行ってみるとそこは廃墟。なんと、王女は犬に変えられたという。ラーのかがみに姿を写すと、人間の姿に戻る王女を仲間にしたところで、フィールドの音楽が変わる。いっさい呪文が使えないローレシアの王子、強力呪文といかづちのつえを使いこなす王女、(強いていえば)器用なサマルトリアの王子、とキャラクターの個性も確立されていて、役割分担ができており、感情移入がいちばんしやすい作品だったとおもう。

ロト3部作にはそれぞれ作品に意義というか意味というか、ねらいのようなものがある。ドラクエIは、堀井雄二が、ウルティマウィザードリィといったいわゆるロールプレイングゲームを子供たちにわかりやすく紹介するものであったし、ドラクエIIは、その世界を、よりドラマチックに増幅させたものであった。IIIの転職システムは、ウィザードリィのリスペクト(まねではないだろう)であるが、ウィザードリィは、ドラクエIのときにもうあったから、ドラクエIの目標は、ドラクエIIIであったという。洗練されたゲームシステムと、ドラクエIIに劣らないドラマチックな展開は、ドラクエIIIがロト3部作の集大成であるといえる結末を迎える。(ネタバレはしません。)

ドラクエIVはIIとIIIをバランスよく増幅させたものであったし、Vはスーパーファミコンにプラットフォームを移した最初の作品だった。IVでスーパーファミコンとしてのドラゴンクエストは完成したし、IIVはプレイステーションになって、3Dポリゴンになった。IIIVはそれを増幅させたものであるといえるだろう。

ようするに、ドラクエは時代に適応しながら、姿かたちを変えて、進化しているのだ。
宮本茂氏と岩田聡氏が持ち込んだあたらしいインターフェースによって、あたらしいドラクエがDSで出るのは必然だったろう。これまでは、ハードウェアの性能に適応したものだったが、もともと、テーブルトークRPGというカードゲームに近かったロールプレイングゲームが、コンピュータでできるようになったことと同じように、ロールプレイングゲームないしは、少なくともドラクエも、新しいメディアに適応しようとしている、あるいは、新しいメディアで新しいおもしろさを追求しているということだ。

だからようするに、ネットにつながないから、オンラインゲームはしないという論法ではなく、新しいドラクエがこんなに面白いから、オンラインにつなぐ、という論法であるのが、キラータイトルドラゴンクエストではないですか。

一太郎がほしいから98を買う。美しいゲームがしたいからX68000を買う。DTPDTMがしたいからMacintoshを買う。ソフトウェアの力というのはそういうものだ。ドラクエロールプレイングゲームというジャンルであることは変わりないであろうが、オンラインゲームというカテゴリーではなく、ネットワークを活用したドラゴンクエストということだろう。我々が知らないあたらしい感覚を生み出すのも、これもまた、テクノロジーの力であるのだと、システムエンジニアーのshin'さんは思います。