shin'nosuke さんのアレグロモデラート

アレグロモデラート(Allegro moderato)は、速さを示す演奏記号で「穏やかに速く」

慰め、というか

ドリカムの新曲、「ねぇ」。生きる大正ロマンを気取るshin'さんにとっては、魅力的でしょうがない、映画「FLOWERS -フラワーズ-」のテーマソング。



カレンダーが青色のある日、職場の女の子曰く「夕方に新大阪に友達がやってきて、迎えに行くので、そのころには帰りますけど、もうしばらくはいます。」「おお、新大阪か、ドリカムの新大阪やね。」と、大阪LOVERと曲名を間違えるshin'さんの発言に、「えっ?どんな歌でしたっけ?」とやさしい問いかけをくれたので、「♪なんどここへ来てたってー、大阪弁は上手になれへんし~、ってやつ。」だなんて、歌いだす始末。「あー、知ってます、知ってます。」

「あの歌は、東京から来る女の子の話だけど、友達は東からやってくるの?西からやってくるの?」「えーと、静岡です。」「そーか、じゃあ、歌とおんなじ、東やね。」ソリューションエクスプローラの、問題のあるファイルにカーソルを合わせながら、「そういや、あの歌がちょうど出たころに、shin'さんの、今みたいな生活が始まったんだよねえ。shin'さんの場合は、西からで、新大阪じゃなくて、京都だけど。(笑)」女の子は、こういった話に慣れていなかったのか、セクハラだと思ったのか、これ以上、合いの手はくれなかった。「はぁ、そうなんですか。」くらいは言っていてくれたかもしれないが、shin'さんは、大阪LOVERのことを考えながら、ひとまず、そのソリューションにある問題を解決しようとしていた。


大きな悲しみのどうしようもなさが、荒々しく伝わってくる「ねぇ」のサビの部分は、この仕事のくそ忙しいなかでも、テレビCMから聞こえてきていた。ずっと、フルコーラスを聞きたいと思っていたのだが、この休みに、やっと、その機会に恵まれた。

大きな悲しみへの、荒々しいどうしようもなさは、映画のイメージをモチーフにしたもので、彼らに出会ってからの、20年、僕にもいろんなことがあったが、彼らにもいろんなことがあった。ベースの中村正人は、僕が中学生のころの深夜のエフエムで「ドリカムはLOVEを歌っている」んだと冗談交じりに言っていたが、もうそういった領域を遥かに超えていっているんだと思った。そして、もうひとつ激しく安堵したのは、ドリカムは軽々しくジェネレーションを歌うようなアーティストではない、ということだ。よかった。大阪LOVERとは違う。


さて。

この半年間、僕の立場には、いくつかの間違いがあった。一番大きかったのは、僕が、外注であったことである。半年の年月をかけて、その答えが得られただけでも、よしとしよう。そして、業務エンジニアリング以外の分野で、夢が叶えられたことも、よしとさせてほしい。これは、せいいっぱいの、自分への慰めという、字面だと、とても、恥ずかしいことである。全部そうだったのかもしれない、という結論も、とても、おもしろい。

まだ、なんの根回しも終わっていないが、僕は、近いうちに、大好きなこの地を離れるつもりでいる。次の行き先は、自分の中では、決まってはいるが、ここでは明かさない。ただひとついえることは、この不況下での、関西での仕事に、飽きたのだ。別に、嫌じゃない。どちらかというと、好きなほうだ。そこで、僕が、外注であることを、悔やむ。

別に、サラリーマンに戻るつもりはない。この前、広島のお客さんと仕事をしたとき、一昔前の、IT業界の姿を感じた。要するに、スピード感のなさだ。いや、そういった場所に行きたいと思っているのではない。場所が、新宿や、渋谷や、池袋であっても、ぼくはかまわない。

これは大義名分であるが、僕が、世話になっている会社、そして仲間たちとは、もう3年の歳月が経とうとしている。手塩にかけて育ててきた、エンジニアたちにとっては、そろそろ、巣立って、自分で失敗する時期であると考えている。彼らと、エンジニアリングをしてはいたいが、僕は、もう彼らにとっては、間違いなく、邪魔なのだ。

そして、夢を叶えるためには、意地だけではいけないということに気づいてもらうために、やっぱり、僕は邪魔なのだ。


いつか、僕がアレして、ナニがソレしたとき、家族に苦言を呈されながらも、ベランダか、キッチンの換気扇の下で、やっぱり、ケントスーパーライトのくわえながら、目を細めて、関西での出来事を思い出すだろう。そして、外注であったこと以外の、もうひとつの間違いをかみしめると思うよ。「謳歌するがよい」という言葉とあわせて。
 
 
 
 
 
 
 
追伸:
私のSo-net関係のものがすべて止まっているようですが、ちょっと、支払いの行き違いがあるようです。しばらくしたら復活すると思いますので、しばらくお待ちください。

ごきげんよう。